第111景 「目黒太鼓橋夕日の岡」
(安政四年(1857)四月 冬の部)
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  石造アーチ橋、太鼓橋の左は行人坂、右は目黒不動道である。画面奥が目黒川の下流になる。 左側の斜面は夕日の岡、現在の雅叙園の位置で、当時は熊本藩細川家の下屋敷であった。 画の右下に見える屋根は、江戸名所図会を見ると茶店で暖簾に「正月屋」とあり、 「しるこ餅」と行灯に書いてある。
  道行く人びとの蓑、傘や笠には雪が付着している。近景遠景を問わず、木立も田畑も雪に 覆われている。上空からしんしんと雪が降り続く。用紙の白色が効果的に使われている。
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「東京シティガイド江戸百景グループ」による