第110景 「千束の池袈裟懸松」
(安政三年(1856)二月 冬の部)
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所在地:大田区南千束2丁目 TEL.03-3726-2427(洗足池公園詰所)
日蓮が袈裟を掛けたと伝えられる松は日蓮宗の霊場となり、枯れる度に植え替えられ、
現在は2本立っている。片方には「六代」と彫られた碑がある。その左にあるもう1本の
松には柵があり、大正8年(1919)撮影の写真にも柵が写っているので、同じ柵とすると当
時からの松と考えられる。その写真は石井研堂の著作「今昔対照江戸百景」にあるもので、
松は4代目となっている。
広重がこの絵を描いた理由は、日蓮の有名な伝説に惹かれて、江戸の中心から離れたこ
こまでやってきたというのが、ヘンリー・スミス教授(「広重名所江戸百景」岩波書店)
の説である。スミス教授は構図が江戸名所図会から影響を受けている点も指摘している。
画の左遠方の社は千束八幡神社である。この地の鎮守として現在も崇敬を集めている。
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「東京シティガイド江戸百景グループ」による