第108景 「芝うらの風景」
(安政三年(1856)二月 冬の部)
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  「名所江戸百景」で最初に発売された5枚(No.42玉川堤の花、No.96堀江ねこざね、No.103 千住の大はし、No.108芝うらの風景、No.11O千束の池袈裟懸松)の一つ。
  絵は北から浜御殿の海岸を眺めている。近景に船の航行安全を助ける水路標識の澪標が 立つ。右手に浜御殿の護岸がギザギザに描かれている。地図上でも護岸は直線なので、構 図に変化を持たせるための強調のようだ。中景には各種の船、遠景には竣工したばかりの 複数の御台場が見える。さらに遠景には高輪、品川から羽田に至る海岸線が延びている。 飛んでいるのは頭の白い冬羽のユリカモメ(都鳥)の群である。
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「東京シティガイド江戸百景グループ」による