第102景 「箕輪金杉三河しま」
(安政四年(1857)閨五月 冬の部)
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  鶴が2羽、優美な姿を現している。地域は、画題の三つの村名から吉原の北西の地域と 考えられる。背景に山や岡が見えない為、道濯山方面から東南方向を描いていると思える こと、沼・田圃が多く、人の数も少なく物寂しく描かれていることから、屋根を連ねるの は御成り道の金杉村辺りかと考えられる。画中の天秤を担いで畦にいる人物は、餌付けの 役人かと思われる。右端の木の下に「かやの柵」と見えるものがある、ヘンリー・スミス 氏の解説どおり餌付け場の柵なのか、不明である。
  この絵の鶴の羽は紙に無色の凹凸をつける「空摺り」が施されている。
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「東京シティガイド江戸百景グループ」による