第67景 「逆井のわたし」
(安政四年(1857)二月 夏の部)
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  逆井の渡しのやや上流から南東に中川と対岸の船着き場が描かれている。船着き場は西 小松川村新町にあった。2艘の渡し船が少ないお客を乗せてすれ違うところ。中川の芦の 州に3羽の白鷺。続いて2羽が舞降りてくる。白鷺の風切羽は空摺りが施されている。 空摺りとは、衣服の紗綾(サヤ)形や障子の骨などを無色で現す摺り方で、絵の具を付けない で摺る。三四枚を摺る毎に版にしめりを与えて摺るのである。
  はるか遠景は房総の山並み。
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「東京シティガイド江戸百景グループ」による