第66景 「五百羅漢さヾゐ堂」
（安政四年(1857)八月　夏の部）
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　 絵は三匝堂の南西角を右手近景に、南側から北西方向を見て描いている。建物は人のい る上匝とその下、花頭窓のある中匝で、下匝は屋根だけが見える。五百羅漢と百観音、三 匝堂からの展望により江戸名所の一つだったから道を隔てて茶屋も立並ぶ。
　 道を手前に南下すると小名木川に至り、奥に北上すると竪川五つ目の渡しにぶつかる。 地平線上に櫛の歯状に屹立するのは、竪川沿いの材木置場である。民家の屋根も川沿い、 元佐倉道沿いに連なっている。
　 北斎も「富嶽三十六景」でNo.7五百らかん寺さゞゐどうを描いている。最上階の南東側 から南に富士を眺める人びとを描く。富士の右に屹立する材木は木場にあたる。
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「東京シティガイド江戸百景グループ」による