第4景 「永代橋佃しま」
(安政四年(1857)二月 春の部)
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  絵は夜明け近い時刻を描く。左に大きく永代橋橋脚がそびえる。右側は漁船の櫓。橋脚 のかげには白魚漁をする漁船と四手網、水面に月影とかがり火の影が映り、月影は拭き取 り技法で表現されている。中景は弁才船(ベザイセン)で帆柱には雲母摺り(キラズリ)が施され、 月の光に輝く様子が表現されている。遠景は佃島。早春の東の空が白んでいる。
  「にょっきにょっき永代橋の冬木立」「帆柱も一目千本江戸の花」など川柳の風景でもある。
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「東京シティガイド江戸百景グループ」による